Web制作に対して給付される補助金とは、経済産業省や厚生労働省などから提供される資金援助で、IT導入補助金や小規模事業者持続化補助金などがあります。この記事では、Web制作に使える補助金の詳細な種類や対象業種など、事業者の成長支援への活用方法を解説します。
Web制作に使える補助金・助成金とは、事業者に対して資金の一部を支給する仕組みです。補助金はおもに経済産業省が担当し、技術開発などを促進します。一方助成金は厚生労働省が管轄し、労働環境の改善などに使われます。年度ごとに詳細が変わるため、最新の情報を確認が必要です。
各補助金・助成金の概要について以下にまとめました。
対象業種 | 補助金額 | 公募期間 | |
小規模事業者持続化補助金 |
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50万円まで(通常枠) | 原則2023年8月31日まで |
IT導入補助金 |
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30万~150万円未満 | 2023年3月20日(月)受付開始~2023年7月18日(火)17:00 |
事業再構築補助金 |
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2023年10月6日18時まで |
ものづくり補助金 |
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2023年11月7日17時 |
小規模事業者持続化補助金は、商業、サービス業、製造業などの小規模事業者が持続的に成長するための支援策です。
購入機器、開発費、旅費など多岐にわたる支出に対して補助が付く制度で、申請から支給までの流れが明確になっています。個人事業者や特定非営利活動法人も対象に含まれ、規模に応じた条件が設定されています。
小規模事業者持続化補助金の対象業種は、商業・サービス業(5人以下)、宿泊業・娯楽業、製造業など(20人以下)です。
資本金5億円以上の法人に100%株式保有されていないことや課税所得平均額が15億円を超えていないことなどが条件とされています。新規事業者は開業届を提出する必要があります。
補助金は機械装置費、広報費、Webサイト関連費、展示会出展費などさまざまな事業に対して支給されます。Webサイト関連費のみでの申請はできず、他の費用とあわせて申請することが必要です。
ホームページ作成に対する補助金の限度額は通常枠12.5万円、特別枠最大50万円です。補助限度額と補助率は募集枠によって異なります。
補助金申請には注意が必要で、Webサイト関連費の補助は総額の1/4が上限で、目的外使用になりえるものは対象外です。支払いが100万円を超える場合は2社以上の見積もりが必要で、補助対象外の可能性もあるため慎重に進めることが求められます。
申請の締切や募集枠による違いもあるため、公式サイトで詳細を確認して理解しておくことが推奨されます。
中小企業や小規模事業者に対して、ITツール導入のための補助金が提供される制度です。自動化ツールやECサイト構築など、業務効率を上げ、売上を増加させるといった目的があります。経済産業省傘下の中小企業庁が主催し、専門のITベンダーと連携して適用、運用が行われます。
IT導入補助金の対象は、中小企業や小規模事業者です。飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護など多岐にわたる業種ごとに規模の制限があるため、資本金や従業員数などの基準をチェックしてください。
IT導入が可能なソフトウェアの導入にかかる費用も補助の対象となります。
IT導入補助金は通常枠とデジタル化基盤導入枠に分かれます。通常枠では、補助率が1/2以内、デジタル化基盤導入では3/4ないし2/3以内です。
予算上限は30万~450万円で、申請類型により異なります。例として、特定の業務プロセスを担うソフトウェアを導入する場合、A類型となります。
単なるホームページ制作は補助金の交付対象外です。
勤怠管理、販売管理、RPAの開発、会計システムなどが申請対象です。また、ECサイト運営やハードウェア購入も対象になることがあります。申請する際は、どの枠にどのような制作を申請するかよく打ち合わせし、慎重に申請してください。
ウィズコロナ時代に対応するため、事業再構築補助金が導入されました。中小企業庁によるこの補助金は、新しい方針や業界への展開を支援します。申請は綿密な計画が必要で、資本金と従業員数にも制限があります。
事業再構築補助金の対象は、主に資本金5000万円から3億円以下の中小企業です。小規模事業者の場合、ほとんどが対象になるでしょう。回復再生応援枠や最低賃金枠、グリーン成長枠などさまざまな枠があります。売り上げ減少など、多岐にわたる業界が適応されるため、業態転換や事業転換のチャンスです。
補助金の額は枠と従業員数で異なります。例えば、10人未満の従業員では1000万円以下、補助率は1/3から1/2が一般的です。特に、原油価格や物価高騰等緊急対策枠では3/4と高い補助率が設定されています。
企業の規模や業種により選べる枠があるため、事業計画に合わせた申請が可能です。
事業再構築補助金の申請には注意が必要です。大きく方針を変える事業に限りますので、通販サイトなどの簡単な方針変更は対象外となります。ホームページ制作も、新規事業の根幹となる場合のみが対象となっているため、注意しましょう。
公式サイトで細かく確認し、必要書類の準備を慎重におこなうことが重要です。また、5年間の管理と近況報告が必須となります。
ものづくり補助金は、中小企業や個人事業主に、設備投資などの支援をおこなう制度です。多岐にわたる業種で利用でき、生産性向上などに対応するものです。
製造業からサービス業まで、多くの業種が対象です。具体的な対象業種は、資本金や従業員数により異なります。適用を希望する場合は詳細な基準を確認し、自社の業種と照らし合わせることが重要です。
補助率は業者の規模に応じて変動します。小規模事業者は対象経費の1/2、再生事業者は2/3が補助されます。また、上限額は従業員数により100万円から1,250万円です。用途に応じて適切に計画することが求められるでしょう。
ものづくり補助金の申請には注意が必要です。対象となるホームページは高機能であること、業種や規模に応じた条件を満たすことなど、厳密な基準があります。最新の情報を確認し、適切な申請をおこなうよう努めましょう。
補助金申請の基本的な流れを具体的に解説します。
補助金申請は、計画的に進めることでスムーズに進行します。
補助金を利用する際、以下の3点に留意する必要があります。
補助金は全ての申請に対して採択されるものではなく、予算や募集枠、応募数によって採択率が変動します。募集に対して加点される施策や条件をチェックし、確実な申請を心がけましょう。
補助金の申請には、さまざまな添付書類が必要となります。準備には時間がかかるため、締切が迫って慌てずに早めに取り組み、不備や抜け漏れによる審査落ちを避けるよう努めましょう。
補助金はホームページ制作が完了し事業報告を経た後、支給されます。制作にかかる費用を全額立て替えて支払う必要があり、事業を実施する資金調達も無理のない範囲にしておくことが重要です。
自社のマーケティングのためには、今やWebサイトは欠かせないものの1つです。ホームページやECサイトなど、企業によって必要な要素はさまざまですが、自社での制作にも外注での制作にも、製作費用はかかります。
そのような場合に検討したいのが補助金です。しかし、Web制作の補助金・助成金申請には、審査基準や書類作成の手間、後払い受け取りなどに対する知識や理解が必要です。最新の情報を確認し専門家に相談しながら慎重に進めることで、制作費用の援助を受け、事業の発展を図れるでしょう。