現代のビジネスにおいて、Webサイトによる集客は欠かせないものとなっています。Webデザインは、Webサイトを形作る重要な要素です。
しかし、Webデザインの費用相場がいくらなのか、どのような要素によって費用が変わるのか不明瞭な点も多いのが現状です。
そこでこの記事では、Webデザインの費用相場を工程ごとに解説します。Webサイトの制作を検討中の方は、ぜひ参考にしてください。
Webデザインには、明確な価格が存在しないといわれています。
ここでは、Webデザインに明確な価格が存在しない理由や、価格の違いによる差について解説します。
企画案や構成案、デザイン、ページ数、システム導入などの工数が多いほど作業時間がかかり、比例するように費用は高くなります。
Webデザイン製作に必要な作業には、以下のようなものが挙げられます。
・ヒアリング
・設計
・デザイン
・コーディング
・テスト
これらの作業にかかる時間や人件費などによって、Webデザインの費用が決まります。また、依頼者のニーズによって作業工程が増える場合も費用に変動があります。
例えば、会社のWebサイトを作成する場合は、セキュリティやシステムの面でも充実したものを望むでしょう。そのため、一般的なWebサイトの制作よりも多くの時間やコストが必要になるのです。
作業工数の増減によって費用相場も変動するといって良いでしょう。
Webデザインにかかる費用は、デザインやコーディング技術によっても大きく異なります。以下に、高いWebサイトと安いWebサイトの違いを紹介します。
【高いWebサイト 】
「デザイン性が高い」、「UI/UXが優れている」、「動画やアニメーションなどのエフェクトなど多彩な要素が取り入れられている」といった要素があります。
また、高い費用をかけたWebサイトには細やかなSEO対策が施されており、検索エンジンからアクセスしやすい構造になっていることが多いです。
【安いWebサイト】
価格を抑えて制作されたWebサイトの場合、シンプルなデザインで構成も簡潔なものになっていることが多いです。
また、UI/UXに重点を置くのではなく情報を伝えることに特化することで、コストを抑えているケースも多く見られます。
Webデザインは、Webサイトの外観を作成する工程と、Webサイトの仕組みを作成する工程に分かれます。
ここでは、それぞれの工程の説明と費用相場についてや、PC・スマホ・レスポンシブ対応による費用相場の違いについて説明します。
【トップページデザイン費用相場】
トップページは、Webサイトの入り口です。閲覧者の最初の印象を決める大切なページであり、多少高額になっても制作にかける費用をかける価値があります。
トップページの工程には、コンセプトの策定、デザイン案の作成、コーディング、画像制作などが含まれます。これらの工程にしても、制作費用や期間はデザイン事務所を始めとした制作業者によって異なりますが、一般的には5万円〜20万円程度が相場です。
【下層ページ、派生ページデザイン費用相場】
トップページに続いて見られるページは、「下層ページ」や「派生ページ」です。それぞれのページは、トップページが持つコンセプトをさらに深掘りすることが要求されます。
内容によってデザイン要素やコーディングの難易度が異なり、制作費用や期間も異なります。下層ページ・派生ページの制作費用は、1万円〜10万円程度が相場とされていますが、ページ数が多い場合には全体的な費用が上昇することがあるでしょう。
【ランディングページデザイン費用相場】
ランディングページ(LP)は、特定のコンバージョンを達成することを目的としたページです。コンバージョンの達成とは、Webサイト上で設定された目標(商品の購入・商材への問い合わせなど)を達成することを表します。
制作工程は、コンセプトの策定、デザイン案の作成、コーディング、画像制作など、トップページと同様の工程です。
ランディングページの制作費用は、5万円〜30万円程度が相場とされていますが、特殊なアニメーションを使用したり、デザイン性が高かったりする場合は制作費用も高額になります。
【バナーデザイン費用相場】
1点あたり5,000〜50,000円
バナーは、Webサイト上で特定の商品やサービスを宣伝するために使われる広告です。バナーのデザインは、商品やサービスの説明を明確に表現する必要があります。
バナー広告の制作目的やサイズによってデザインやコーディングの作業にかかる費用は異なりますが、一般的には1〜5万円程度が相場とされています。
【ロゴデザイン費用相場】
1点あたり30,000〜150,000円
ロゴデザインは、Webサイトや企業のアイデンティティを表す重要な要素の1つです。ロゴの制作には、デザインのコンセプトを考えた上でクライアントの意見を反映することが求められます。
ロゴ制作の費用はデザインの複雑さや制作時間によって変動しますが、一般的には3〜15万円程度が相場です。
ここでは、Webデザインにおいてデザイン以外に必要な工程について解説します。
ディレクションとは、Webサイトの目的やコンセプトを明確にし、その実現に向けたプランを立案することです。Webサイトの目的が達成されるようにデザインやコンテンツ、機能の方向性を定めたり、進行管理や品質管理等を行ったりします。
デザインだけではなく、Webサイトを運営する上で最も重要な工程の1つです。費用相場については、開発費全体の10%前後が一般的とされています。
「ディレクション費」の内部リンクを設置(執筆後挿入します)
設計では、ディレクションのアイデアを具現化するために、ページ配置やナビゲーション、コンテンツの配分、色彩、フォントなど細かいレイアウトのプランを作成します。
デザイナーとの連携がスムーズであれば、実際の作業期間は短縮も可能です。費用相場については、開発費全体の10%前後が一般的とされています。
デザインが決まったら、そのデザインを実際にWebページとして作り上げる必要があります。この工程がコーディングと呼ばれるものです。
コーディングではHTMLやCSS、JavaScript等の言語が使用されます。デザインに応じたマークアップを行い、ブラウザ上で正しく表示されるように作業します。
Webサイトのレスポンシブ対応・ブラウザ対応・SEO対策等も同時に行います。また、CMS(コンテンツマネージメントシステム)や、ECショップなどの機能が追加されるのもこの段階です。
1ページごとのコーディングの費用相場は以下のとおりです。
ただし、CMSやECサイトの場合はシステムの費用が別途必要となるので、あらかじめ考慮しておきましょう。
Webサイト上で使用するコンテンツ(文章など)も重要な要素の1つです。コンテンツはSEOの観点からも重要であり、読み手にとって価値のある情報を提供することが必要です。また、テキストだけでなく、画像、動画などの作成を行う場合もあります。
コンテンツの費用相場は以下のとおりです。
Webサイトは完成したら終わりではありません。運用管理も重要な工程の1つです。新しいコンテンツの追加や更新、セキュリティ対策等が定期的に必要です。
運用管理が適切に行われなかった場合、表示が遅い、エラーが多い等の問題が発生し、ユーザーに不快な印象を与えてしまうことがあります。
管理費は、作業工数によってさまざまです。任せる範囲や費用など、契約時の綿密な打ち合わせが大切です。
Webサイトを作る上では、SEO対策も重要な要素の1つです。SEO対策とは、検索エンジンの上位表示を狙うためにサイトの構造やコンテンツやタグなどの最適化を行うことです。
目的のキーワードによってどのようなコンテンツが必要なのかを調査し、そのコンテンツを作成することで上位表示を狙うことができます。
SEOのコンサルティング費用相場は月々5万円ほどです。ただ、SEO対策は対応の幅が広くなるため、場合によってはコンテンツの作り直しや追加などが必要になります。そのため、一概に費用を決めることが難しく、費用相場はあくまでも目安です。
Webデザインにおいては、依頼者のニーズや制作側の技術力、作業の質量によって費用が大きく変わります。また、高いWebサイトと安いWebサイトでは、デザイン性やUI/UX、SEO対策などにも差があります。
ロゴ制作やコーディング、プログラミングなどの細部にわたる作業工程の費用相場を合わせると、総額で100万円から200万円程度になることが多いようです。
自社に適したWebデザインの選択を行うにあたり、目的や予算等を明確にしたうえで、専門家に相談することをおすすめします。